アパート・マンション経営入門 新築に必要な初期費用について解説

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アパート・マンションを新築する計画を立てるにあたり、工事金額以外にかかってくる「諸経費の内訳」をご存知でしょうか?

新築で建てると、その建物がどのような建物なのか、誰の所有物なのかを示すための登記をしたり、融資を利用するのであれば、万が一返済ができなくなった場合に建物を担保として設定したり、いろいろな諸経費がかかってきます。

また、中古物件を購入する場合でも、所有者が変更になるのでそのための登記手続きをしたり、不動産業者に仲介手数料を支払ったり等の諸経費はかかります。

諸経費の内訳を知っておくと、新築アパート・マンションを建築するのに必要な初期費用の総額がイメージできるようになります。

以下、アパート・マンションを新築する際にかかる初期費用の総額について、「元々、土地を所有していて、その土地に新築する場合」と、「土地(更地)から購入してその土地に新築する場合」に分けてみました。

 初期費用の総額内訳
建物を新築(土地を所有)建築工事費(税込)+ 外構工事費(税込)+ 付帯設備費(税込)+ 諸経費
土地(更地)を購入して建物を新築土地購入費(非課税)+ 諸経費(土地購入に係る)+ 建築工事費(税込)+ 外構工事費(税込)+ 付帯設備費(税込)+ 諸経費

元々、土地を所有していて、その土地に建物を新築する場合は、ほとんどが建物に係る諸経費ですが、土地から購入して新築する場合は、土地購入に係る諸経費も発生します。

それぞれ、分けて解説して参りたいと思います。

1.建物を新築する場合(土地を所有)

土地を所有していて、その土地に建物を新築する場合、以下の諸経費がかかってきます。

項目詳細備考
建物表題登記(表示登記) 新しく物件を建てた時に存在を登記する費用(土地家屋調査士に委託)竣工後、1ヶ月以内に申請するのが原則(申請義務あり)
所有権保存登記建物の所有者を登記する費用(司法書士に委託)融資を受ける場合は必要(申請義務なし)
抵当権設定登記融資を受ける場合、建物と土地に担保権を設定する登記(司法書士に委託)融資を受ける場合
登録免許税保存登記・抵当権設定登記をする場合に課される国税 
不動産取得税建物竣工後に課される県税 ※条件を満たせば軽減措置あり 
ローン保証料ローンを返済できなくなった際に、保証会社に代わりに返済してもらうため、保証会社と保証契約を結ぶ費用金融機関によっては必要
期中金利工事期間中(期中)に借りたローンにかかる金利(利息)融資を受ける場合
損害保険加入料火災保険・地震保険加入料地震保険加入は任意
水道加入金(市納金)給水装置工事の申込みの際に市町村へ納める負担金 
受益者負担金公共下水道が整備されている地域にて下水道を利用する際に、土地に対して一度だけ賦課される負担金市町村によって負担を求められる地域と求められない地域がある
上下水道引込費用道路に敷設されている水道本管、下水本管より敷地内への引込工事に要する費用 
その他契約書用の収入印紙、地鎮祭初穂料等 

上記に記した諸経費の中には、現金による支払いをするのか、融資を利用するのかによって、不要なものが出てきます。

現金で初期費用の全てを支払う場合は、抵当権設定登記、登録免許税(抵当権設定登記に係る国税)、ローン保証料、期中金利は不要となります。

「所有権保存登記」については、融資を受けない場合は任意とされていて、必ずしも登記しなくてはならないものではありませんが、融資を受ける場合は必要となってきます。

「登録免許税」とは、所有権保存登記、所有権移転登記、抵当権設定登記をする場合に課される国税です。

現金で支払いを完結する場合は、抵当権設定登記に伴う登録免許税は不要です。

また、現金で支払いを完結して、所有権保存登記をしなければ、登記に伴う登録免許税も不要となります。

登録免許税の税率は以下の通りです。

区分計算式備考
所有権保存登記(新築建物)法務局認定の価格課税標準額✕0.4% 
所有権移転登記(土地)固定資産税評価額✕1.5%令和5年3月31日まで軽減措置が適用(本則:2.0%)
抵当権設定登記借入額(債権額)✕0.4% 

「ローン保証料」については、ローンを利用しなければ不要です。

「期中金利」とは、工事期間中に代金の支払い等の為にローンを利用する場合に、借りたお金にかかる金利(利息)です。

この金利は、着工後に返済負担が発生します。

期中金利もローンを利用しなければ、金利は発生しませんので、現金支払いであれば期中金利は不要です。

上記の諸経費の中で、「不動産取得税」は1戸当りの床面積の広さによって、軽減措置を受けることができます。

不動産取得税とは、マイホームなど不動産を取得した場合に課税される税金で、固定資産税とは違い、取得時に一度だけ支払えば済みます。

税率は以下の通りです。

区分計算式備考
建物(住宅)の不動産取得税建物の固定資産税評価額 ✕ 税率3%2024(令和6)年3月31日までに「住宅」として取得した建物に対しては、3%(本来は4%)の軽減税率が適用
建物(非住宅)の不動産取得税建物の固定資産税評価額 ✕ 税率4% 
土地の不動産取得税建物の固定資産税評価額 ✕ 1/2 ✕ 税率3%024(令和6年)3月31日までに取得したものについては、評価額(固定資産税評価額)を2分の1に減額し、さらに税率を3%(本来は4%)とする軽減措置が取られています

不動産取得税には、一定の条件を満たしていれば税金の軽減が受けられる軽減措置があります。

戸建て賃貸の場合、1戸当たりの床面積が50㎡以上240㎡未満であれば、1戸当たりの課税標準額から1,200万円を控除した額に対して課税されるので、不動産取得税額を軽減できます。

仮に課税標準額が1,200万円の建物であれば、1,200万円を控除したら0になるので、不動産取得税はかかりません。

共同住宅の場合、控除対象は建物全体でなく、1戸ずつの床面積について、それぞれ控除対象であるか判断していくことになります。

1戸当たりの床面積が40㎡以上240㎡未満であれば、1戸当たりの課税標準額から1,200万円を控除した額に対して課税されます。

また、共用部分がある場合には、当該共用部分の面積を各戸の専有部分の面積の割合に応じてあん分し、各戸の専有部分の面積に合算します。

1戸の床面積が40㎡未満でも、共用部の案分を足したら40㎡を超える場合もありますので、計画している建物が控除対象となるのか否かは、専門業者様に確認するのが一番です。

あと、水道加入金、受益者負担金、上下水道の道路からの引込工事については、建物の給排水設備工事とは分けて、諸経費として計上している業者様が多いと思います。

なぜなら、水道加入金や受益者負担金、上下水道引込工事は、建築会社に支払うものではなく、市町村と市町村が指定する工事業者様に支払うものだからです。

アパート・マンションの計画書の中に、これらについての項目が記されてない場合、必ず確認するようにしましょう。

2.土地を購入して建物を新築する場合

土地を購入して建物を新築する場合は、土地購入費(非課税)と購入に係る諸経費必要となります。

今回は、分かりやすいように、土地の上に建物が建っていない条件(更地)で考えていきます。

土地は税法上、消費されないものと考えられており、消費税は非課税となります。

土地購入代金は、後で解説する印紙代や仲介手数料等の計算の元となりますので、ポイントとして消費税はかからないことを覚えておきましょう。

さて、土地購入に係る諸経費について、以下にまとめました。

項目詳細備考
仲介手数料不動産会社に支払う土地紹介手数料(土地購入費✕3%+6万円)+ 消費税を加えた金額
手付金土地購入の売買契約の際に支払う頭金後で土地購入費に含めることが多いが、買主の都合でキャンセルすると全額没収されてしまう
所有権移転登記購入する土地の所有者を自分に移転する登記費用固定資産税評価額✕1.5%(令和5年3月31日まで)、司法書士に委託
登録免許税所有権移転登記に係る国税 
不動産取得税不動産を取得した場合に課税される税金((土地の固定資産税評価額✕1/2)✕ 3%)– 減額される額(令和6年3月31日まで)
固定資産税(日割り精算分)引き渡し日以降の固定資産税を、売主と買主の間で精算精算の基準点となる「起算日」を明確にして、売買契約書に盛り込むことが重要
都市計画税(日割り精算分)引き渡し日以降の都市計画税を、売主と買主の間で精算同上
その他契約書用の収入印紙、インフラ整備費、解体工事費等 

上記に記した諸経費の中で、土地の不動産取得税について、「減額される額」というのは、土地の上に住宅が建っている場合(住宅用土地を購入した場合)に減額される額のことで、以下のいずれかの高い方の金額となります。

 a.45,000円

 b.土地1㎡あたりの固定資産税評価額 ✕ 1/2 住宅の課税床面積の2倍 ✕ 3%(税率)

その他、売買契約書に貼る収入印紙やインフラ(上下水道本管、都市ガス管敷設工事費)を整備する必要がある場合の工事費、土地の上に建物が建っていて解体する場合の解体工事費等がかかってきます。

以上、諸経費について解説して参りましたが、アパート・マンションの計画を立てる時には、建築工事費、外構工事費の他に初期に必要な諸経費も計算して専門業者様に試算してもらうと効率的ですし、理解も進みます。

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