アパート・マンション経営入門 建築予定地の「土地」を知る

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「地質」は、地面より下の岩石・地層の性質・状態・種類などを指し、「地盤」は、建造物・工作物などを据える基礎となる土地を指します。

建物を建てる前に、建物をしっかりと支えることのできる地盤であるかを調査するために、地質調査を行います。

調査の結果、良質な地盤であれば、地盤補強工事は不要ですが、軟弱地盤である場合は、支持層(建物をしっかりと支えられる強固な層)に到達するまで基礎杭を打ち込んだり、柱状改良工事を行って地耐力を補強します。

表面だけが軟弱で重量が軽い木造の建物であれば、表層のみの改良で済む場合もありますが、いずれの場合も地質調査の結果、地盤補強が必要であるとの判断を下されるので、追加費用を請求されることになると思います。

よって、実際に地質調査を行うか、近隣の地盤データを提示してもらって地盤の推測を行う等して、地盤補強工事の費用も想定しておいた方が良いです。

例えば、敷地の地盤がかなり軟弱で、20m下まで到達しないと支持層が出てこないといった土地に鉄筋コンクリート造を建てようとすると、杭費用だけでも数千万円になることもあり得ます。

しかしながら、自重の軽い木造のアパートであれば、表層改良のみで済む場合もあるので、地盤によって建物構造を検討するのも、費用を抑えようとするのであれば有効な選択だと思います。

「隣地・接道道路との高低差」は、文字通り、隣接する土地及び接道道路との高低差を指します。

隣地の高低差について、通常、地面が高い方が隣地境界線際にブロック積や擁壁等の「土留め」をして、大雨などで土砂が崩れ落ちても、隣地に流れ込まないように堰き止める役割を持たせます。

隣地の高低差がほとんどないところでは、土留めを施工しなかったり、「法面」とよばれる斜面をゆるやかに作ったり、地面に埋まる部分も合わせて2段程度だけブロックを積んで境界を仕切る等して、土留めにかかる費用を浮かせることが可能です。

一方で、高低差が高ければ高いほど、ブロックを積む段数も増え、高く積んだブロックを支える控え壁を設けたり、鉄筋コンクリート造の擁壁を設けないといけなくなり、費用も高くなってしまいます。

接道道路との高低差について、高低差がほとんどないところでは、敷地への乗入れ口も作りやすいですが、高低差があると乗入れ口をスロープにしたり、駐車場を差し込みにして、外階段を設けて建物に上がっていく等の外構に設計する必要があります。

そうなると、費用も高くなってしまうので、隣地や接道道路より高い土地に建物を建てたいという場合を除き、基本的には高低差がほとんどない土地にアパート・マンションの建築を検討するとよいと思います。

「接道道路の幅員」とは、敷地に接する道路の道幅のことです。

建築基準法では、建物の敷地は幅員4m以上の道路に接している必要があり、その要件を満たさないと建築は認められません。

幅員4m未満の道のうち、特定行政庁の指定したものは建築基準法上の道路とみなす処置がとられ、「2項道路」と呼ばれます。

2項道路に面した敷地に建築を行う場合は、原則としてその中心線から2m後退(セットバック)しなければなりません(ただし道路の反対側が川や崖等の場合は境界線から4m後退する)。

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上の図では、接道する道路が3mで、道路中心線から2mセットバックして敷地を後ろに控えています。道路と敷地の境界線から50cmの部分が利用できなくなります。

このように、道路幅員によって、セットバックする必要があれば、その分、敷地が削られるので、敷地を最大限に有効活用したいのであれば、最低でも幅員が4m以上の道路に接道した敷地に計画を立てるようにしましょう。

また、接道道路に歩道が付いているかどうかも要チェックです。

歩道が付いていると、乗入工事をしないと敷地内に車が入り込めません。

乗入工事の他に、乗入申請や道路占用届などの費用も余分にかかってきます。

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