副業解禁時代にあって、これからは一つの会社に依存しないでも、生活していけるだけの副収入を得られる人こそが強い時代となりつつあります。
また、年金とは別の収入減を確保しておいた方が、人生100年時代を生きる上では老後も安心だと思います。
数ある副業の中でも、本業をおろそかにすることなく、煩わしい業務をプロに委託して、労力をあまり費やさずに収入を得られるものとして、「アパート・マンション経営」が挙げられます。
アパート・マンション経営は、専門的な知識がなくても、専門業者に委託して管理・運営してもらえば、自分自身が働かなくても収入を得ることが可能です。
ただし、アパート・マンション経営についてきちんと勉強した上で、信頼できる建設会社と管理会社を選ぶことが、アパート・マンション経営の成否を分けることになるでしょう。
当ブログでは、現役でアパート・マンション関連会社にて勤務する筆者が、初めての方向けにアパート・マンション経営の留意すべきポイントをテーマ別に執筆して参ります。
建築予定地の「周辺」を知る
前回の記事では、建築予定地となる土地の現況調査のポイントを解説しました。
今回の記事では、「土地の周辺調査」にフォーカスして、以下のチェックリストをベースに、調査のポイントを解説します。
【土地の周辺調査チェックリスト】
▢ | 上水道・下水道管敷設の有無 |
▢ | 水道本管の水圧 |
▢ | 都市ガス管敷設の有無 |
▢ | 電柱の有無 |
▢ | 接道道路の種別(国道・県道・市道等) |
▢ | 近隣駐車場(月極) |
▢ | 最寄駅までの距離 |
▢ | 公共・市営バス等の路線有無 |
▢ | コンビニ・スーパー・ドラッグストアの有無 |
「上水道・下水道管敷設の有無」については、接道道路に上水道管・下水道管が埋まっているかどうかをチェックします。
ある程度、整備された道路には上水道管と下水道管が埋設されています。
しかしながら、下水道については、未だに下水道が埋設されてない地域があります。
下水道が埋設されてない地域では、「浄化槽」にて排水処理をすることになります。
「浄化槽」とは、トイレの汚水と、キッチンや洗面所等の生活排水を浄化処理して放流するための装置のことです。

浄化槽を設けることとなると、初期投資に浄化槽分が追加となりますし、毎年の保守点検や法定検査、汲み取りにも費用がかかってくるので、事業収支はその分、下がってしまいます。
また、建物を解体して土地を売却するにしても、浄化槽も撤去しないといけないので、その分の費用もかかってしまいます。
土地の購入を検討している方にとっては、下水道が道路に敷設されている地域の土地を購入する方が費用面では良いと言えます。
下水道が整備されていない地域に先代から受け継いだ土地を所有している方にとっては、アパート・マンションを建てるなら、浄化槽を設置するしかありません。
初期投資については、浄化槽設置費用はかかりますが、下水道引込工事は不要ですし、下水道申請料等もかかりません。
戸建賃貸住宅のように、5人槽の浄化槽(床面積130㎡以上は7人槽)で足りるほどの小規模な建物であれば、下水道とそれほど差がない場合もあります。
ただし、上述した保守点検や法定検査等の運営費用(ランニングコスト)がかかってしまうので、それを補うほどの事業計画が成り立つように、複数プランを検討しておいた方がいいでしょう。
「水道本管の水圧」について、上水道は地域によって水圧が異なります。
3階建て以上のアパート・マンションを計画する場合は、水圧が足りなくて3階まで水を送ることができない場合もありますので、「貯水槽」や「ブースターポンプ」のおおよその予算取りをしておいた方が無難です。
水道局と協議を重ねて、設置有無の判断が下されるので、融資に組み込むのであれば、早めに調査しておきたいものです。

貯水槽やブースターポンプは、設置費用がかかるし、メンテナンスにおいても費用が発生するので、あるのとないのとでは事業収支に差が出てきます。
これまで私が関わった3階建て以上のアパート・マンションで、貯水槽やブースターポンプを設置した物件は一つもなかったのですが、地域によっては2階建てアパートでも貯水槽を設けている建物を見かけることもありますので、建築計画を立てる前に相談する業者様から情報を集めておくといいと思います。
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